会社を売るか続けるか迷った社長へ|判断する前に考えたい6つのこと

会社を売るか迷っている

会社を売ろうと思ったからといって、

「では、売ろう」

と簡単に決められるものではありません。

少なくとも私はそうでした。

このまま会社を続けるのか。

それとも、誰かに会社を託すのか。

もう少し会社価値を高めてから考えるのか。

私自身、答えを出すまで何度も気持ちが揺れました。

ある日は、

「もう少しやってみよう」

と思う。

別の日には、

「もう手放してもいいのではないか」

と思う。

今振り返ると、会社を売るか続けるか迷っている時に重要なのは、

「売却する理由」だけではなく、「なぜ続けたいのか」も考えること

だったと思います。

特に私が大きかったと思うのは、

「会社を続けたい理由」と「会社を売らない理由」は違う

と気づいたことでした。

今回は、実際に会社売却を経験した立場から、会社を売るか続けるか迷った時に考えてみたい6つのことを書きます。

1.会社を続けた先に、まだやりたいことがあるか

最初に考えたいのは、

「この会社で、まだ何かやりたいことがあるのか」

ということです。

売上をもっと伸ばしたい。

新しい事業を作りたい。

新しい地域へ進出したい。

組織をもっと良くしたい。

この会社だからこそ実現したいことがある。

そう思えるのであれば、まだ続ける理由は十分にあると思います。

私自身も、会社売却を考えていた時、

やる気のある人と話したり、新しいことを考えたりすると、

「もう一度やってみようか」

と思うことがありました。

会社の全部が嫌だったわけではありません。

仕事には面白い部分もある。

人と話して楽しい時間もある。

だからこそ迷いました。

ただ、そこで一度考えた方がいいのは、

「本当にこの会社で次にやりたいことがあるのか」

ということです。

単に、

「ここまで続けてきたから」

ではなく、

これから先に何を作りたいのか。

そこに答えがあるかどうかは、大きな判断材料になると思います。

2.問題が解決したら、また経営したいと思えるか

会社を売りたいと思う時、

その原因が会社そのものではなく、

一時的な問題である場合もあります。

組織の問題。

人の問題。

売上の問題。

競争環境の問題。

大きなトラブル。

経営者であれば、そうしたことが続いて、

「もう嫌だ」

と思う時もあると思います。

私自身もありました。

ただ、ここで一度考えてみる。

「今抱えている問題が全部解決したとして、それでも会社を手放したいか」

ということです。

もし、

問題がなくなればもう一度やりたい。

また会社を伸ばしたい。

と思えるのであれば、

本当に売りたいのではなく、

今の問題から離れたいだけかもしれません。

反対に、

問題が全部なくなったとしても、

「もう自分が経営しなくていい」

と思うのであれば、

気持ちはかなり変わっている可能性があります。

私にとっては、この違いは大きかったと思います。

3.「続けたい理由」と「売らない理由」を分けてみる

会社売却を迷っていた頃、

私はいろいろな理由を考えていました。

まだ利益は出せる。

まだ会社価値はある。

良い社員もいる。

せっかくここまで作った。

持ち続けてもいいのではないか。

これらは、どれも間違った理由ではありません。

ただ、後になって思ったことがあります。

それは本当に、

会社を続けたい理由だったのか。

それとも、

会社を売らない理由を探していただけだったのか。

ということです。

この二つは似ていますが、私は全く違うと思っています。

本当に会社を続けたいのであれば、

「次は何をやろう」

「どうやって会社を伸ばそう」

「どうやってもっと良くしよう」

と、未来を考えるはずです。

一方で気持ちが離れ始めると、

「まだ売らなくてもいい理由」

ばかりを探すようになることがあります。

私自身が、そうだったのだと思います。

だから、

会社を売るか迷った時には、

紙に二つ書いてみてもいいと思います。

会社を続けたい理由。

会社を売らない理由。

書いてみると、自分の気持ちが少し見えやすくなるかもしれません。

4.会社を持っていること自体が目的になっていないか

会社を長く経営していると、

会社を持っている状態が当たり前になります。

社長であること。

社員がいること。

会社へ行くこと。

毎月売上を作ること。

それ自体が日常になります。

すると、

会社を手放すことに強い抵抗を感じることがあります。

でも、

会社を持ち続けること自体が目的なのか。

それとも、

会社を使って何かを実現したいのか。

ここも分けて考えた方がいいと思います。

私は、

社長という肩書きを持ち続けたいから会社を経営していたわけではありません。

自分が考えた事業を形にする。

顧客に受け入れられる。

会社が成長する。

その過程が好きでした。

だからこそ、

その会社でやりたいことが薄れていった時、

「会社を持ち続けること」にどれだけ意味があるのだろう、

と考えるようになりました。

会社を持つことは目的ではなく、手段なのかもしれません。

5.自分が経営しなくてもいいなら、会社を残したいか

売るか続けるかを考える時、

私は二択にしなくてもいいと思っています。

自分が経営を続ける。

会社を売る。

この間に、

誰かに経営を任せて、自分はオーナーとして残る

という選択もあります。

だから一度、

こう考えてみてもいいと思います。

「自分が毎日の経営から離れられるなら、この会社を持ち続けたいか。」

答えが「はい」であれば、

会社そのものを手放したいわけではない可能性があります。

自分が経営の最前線から離れたいだけかもしれません。

反対に、

自分が経営しなくても、

会社を持ち続けたいと思わないのであれば、

売却という選択肢を考える意味は大きくなります。

会社を売るか続けるか。

その前に、

「経営すること」と「所有すること」を分けて考える。

私はこれも大切だと思っています。

6.売却という言葉が何度も頭に浮かぶ理由を考える

私自身、

会社売却を考えたからといって、

すぐに売ると決めたわけではありません。

続けようと思ったこともあります。

もう一度やってみようと思ったこともあります。

「やっぱり売らない方がいいのではないか」

と思ったこともあります。

でも、

しばらく経つと、

また「売却」という言葉が頭に浮かぶ。

これを何度も繰り返しました。

今振り返ると、

売却という言葉が何度も戻ってくる時点で、

自分の中で何かが変わっていたのだと思います。

だから、

もし今、

「会社を売ろうかな」

「やっぱり続けようかな」

と何度も繰り返しているのであれば、

無理に答えを出す必要はありません。

ただ一度、

「なぜ、この言葉が何度も頭に浮かぶのだろう」

と考えてみる。

そこに、

本当の理由が隠れていることがあります。

私自身も、毎日のように気持ちが変わった

会社売却を考えていた頃、

私の気持ちは一定ではありませんでした。

会社で前向きな話をすれば、

「まだやれる」

と思う。

何か問題が起きれば、

「もう手放したい」

と思う。

会社には楽しい部分もありました。

だから余計に迷いました。

会社が全部嫌なら、決断はもっと簡単だったかもしれません。

でも、

良いところもある。

楽しいこともある。

利益も出せる。

それでも、

会社全体を背負い続けることに対する気持ちは、少しずつ変わっていました。

最終的に私が考えるようになったのは、

「自分は、本当にこの会社を続けたいのか。」

それとも、

「売らない理由を探しているだけなのか。」

ということでした。

この問いに向き合ったことで、

自分の気持ちが少しずつ見えるようになりました。

会社を売るか続けるかは、数字だけでは決められない

もちろん、

売却を考えるのであれば数字は重要です。

会社価値。

利益。

純資産。

売却価格。

税金。

今後の成長性。

こうしたことは考える必要があります。

ただ、

数字だけでは決まらないこともあります。

会社にとっては、

まだ経営を続けた方がいいかもしれない。

でも、

オーナー本人はもう続けたくないかもしれない。

反対に、

高く売れるチャンスがあったとしても、

本人がまだ会社を成長させたいのであれば、

無理に売る必要はありません。

会社にとっての正解と、オーナーにとっての正解は同じとは限りません。

私は、会社売却ではここが非常に重要だと思っています。

すぐに売る必要も、無理に続ける必要もない

会社売却を考え始めると、

どうしても、

「売るか、売らないか」

という二択になりがちです。

でも実際には、

売る。

続ける。

誰かに経営を任せる。

会社価値を高めてから、もう一度考える。

いくつもの選択肢があります。

だから、

今すぐ答えが出なくてもいいと思います。

私自身も、答えが出るまで迷いました。

重要なのは、

周囲の意見だけで決めないことです。

仲介会社。

税理士。

社員。

知人。

いろいろな意見を聞けばいい。

ただ、

最後に会社を売るのも、

そのまま経営を続けるのも、

自分です。

「売るか迷っている」段階で、一度整理してみる

もし今、

会社を売るのか。

このまま続けるのか。

迷っているのであれば、

一度この6つを考えてみてください。

  • この会社で、まだやりたいことがあるか
  • 今の問題がなくなれば、また経営したいか
  • 続けたい理由なのか、売らない理由なのか
  • 会社を持っていること自体が目的になっていないか
  • 自分が経営しなくても会社を残したいか
  • なぜ売却という言葉が何度も頭に浮かぶのか

すぐに答えが出なくても構いません。

でも、

これを考えるだけでも、

自分が何に迷っているのかは少し見えてくると思います。

会社売却を考え始めた段階で、まず何を整理すればいいかについては、こちらの記事でも書いています。

▶ 会社を売るか迷っている社長へ|会社売却を考えたら最初に整理したい5つのこと
https://shacho-baikyaku.com/company-sale-decision/

そして私自身が実際に、

「この会社をこのまま持ち続けるのか。それとも誰かに託すのか」

と考え始めた頃のことは、NOTEの連載にも書いています。

▶ 第36話「売却という選択肢。終わったはずの会社に、新しい出会いが訪れる」
https://note.com/shira_biji/n/nb91961c37f7b

会社を売るか続けるか迷っている社長へ

会社を売る。

会社を続ける。

どちらが正しいという話ではないと思います。

私は会社を売却しました。

だからといって、

誰にでも売却を勧めたいわけではありません。

まだやりたいのであれば続ければいい。

もう一度会社を伸ばしたいのであれば、やればいい。

少し休んでから考えてもいい。

ただ、

自分は本当はどうしたいのか。

そこだけは、

誰かに決めてもらうことはできません。

私自身、この答えを出すまでかなり迷いました。

そこで、実際に会社を売却した経験から、

「会社を売ろうと思った社長へ。売却前に私が知っておきたかった7つのこと」

を無料音声にまとめました。

売却を勧めるための内容ではありません。

売るのか。
続けるのか。
もう少し会社価値を高めるのか。

まだ答えを決めていない社長の方に、一つの経験談として聞いていただければと思っています。

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