会社売却で従業員はどうなる?社長が売る前に考えたい6つのこと

会社を売るか迷っている

会社を売ろうと考えた時、

私がかなり考えたことがあります。

それが、

「従業員はどうなるのか」

ということでした。

会社は自分一人で作ったものではありません。

長く一緒に働いてきた社員がいる。

自分の考え方についてきてくれた人がいる。

会社が厳しい時期にも残ってくれた人がいる。

そう考えると、

「自分が会社を売ることで、社員を不幸にしてしまわないだろうか」

という気持ちが出てきます。

私自身も考えました。

ただ、実際に会社売却を経験して今思うのは、

会社を売ること=社員を不幸にすることではありません。

もちろん、

経営者が変われば会社も変わります。

評価の基準。

仕事の進め方。

組織の方針。

場合によっては役割。

いろいろなことが変わる可能性があります。

一方で、

会社がより安定する。

組織が強くなる。

待遇や働く環境に新しい可能性が生まれる。

そういうこともあります。

今回は、会社売却を考えた時に、私自身が従業員について考えた6つのことを書きます。

1.経営者が変われば「評価される人」も変わる可能性がある

会社を長く経営していると、

知らないうちに経営者の考え方が組織へ反映されます。

例えば、

売上を重視する会社なら、

売上を作れる人。

新しい企画を考えられる人。

営業が強い人。

そういう社員が評価されやすくなるでしょう。

一方、

別の経営者になれば、

重視するものが変わる可能性があります。

コンプライアンス。

利益率。

組織管理。

働き方。

業務品質。

何を重要と考えるのかは、経営者によって違います。

そこで私も考えました。

「自分が評価してきた社員は、新しい会社でも同じように評価されるのだろうか。」

これは会社売却を考える経営者にとって、かなり気になるところだと思います。

今まで重要な役割を担ってきた社員が、

新しい組織でも同じ役割になるとは限りません。

ただ、

逆もあります。

今まで十分に評価されていなかった社員が、

新しい経営者の下では高く評価されることもあるかもしれません。

つまり、

会社売却によって、

社員の価値が変わるのではなく、「何を評価する会社なのか」が変わる

ということもあると思っています。

2.今までと同じ役割が続くとは限らない

会社売却では、

経営者だけが変わるとは限りません。

組織の考え方そのものが変わる場合があります。

例えば、

今まで社長へ直接報告していた人が、

新しい組織では別の責任者へ報告するようになる。

幅広い仕事を担当していた人が、

より専門的な仕事へ変わる。

反対に、

新しい役割を任される。

こうした変化はあり得ます。

私は、

自分が幹部として育ててきた社員についても考えました。

「今まで通りの立場ではなくなったら、その社員にとって売却は不幸なのではないか」

と。

ただ、

役割が変わることと、

不幸になることは同じではありません。

新しい組織だからこそ、

今までになかった仕事ができる可能性もあります。

より大きな仕事を任されるかもしれない。

違う能力が評価されるかもしれない。

社員一人ひとりによって、

会社売却の受け止め方は違うと思います。

だから私は、

「変わる=悪くなる」と最初から決めつける必要もない

と思うようになりました。

3.会社の安定度が上がることもある

会社売却を考えた時、

社員にとってマイナスになることばかり考えてしまいがちです。

でも、

私自身は途中から別の見方もするようになりました。

それが、

会社の安定性

です。

例えば、

より資金力のある企業の傘下へ入る。

組織基盤がしっかりした会社へ引き継がれる。

経営資源が増える。

そうなれば、

社員にとって安心できる部分が増えることもあります。

私自身も、

「自分がこのまま会社を経営し続けることと、別の企業へ会社を託すこと。

長い目で見れば、どちらが社員にとって安心なのだろう」

と考えました。

経営者としては、

どうしても、

「自分が守らなければ」

と思います。

でも、

自分より資金力がある会社。

自分より組織力がある会社。

自分より会社を成長させられる会社。

そういう相手が存在するのであれば、

その会社へ託すことも、社員を守る一つの方法なのではないか

と考えるようになりました。

4.組織が大きくなることで、社員に新しい選択肢が生まれることもある

規模の小さな会社には、

小さな会社の良さがあります。

意思決定が速い。

社長との距離が近い。

任される仕事の幅が広い。

一方で、

組織の層が薄いため、

一人の社員が多くの仕事を抱えることもあります。

キャリアの選択肢が限られることもあります。

会社売却によって、

より大きな組織へ入れば、

環境は変わります。

専門部署がある。

新しい仕事がある。

別のポジションがある。

社員一人ひとりにとって、

今までになかった選択肢が生まれる可能性もあります。

もちろん、

すべての社員にとって良くなるとは限りません。

小さな会社の自由な雰囲気が好きな人もいます。

今までの働き方が好きな人もいます。

だから、

会社売却による変化を全員が同じように感じるわけではない

と思います。

重要なのは、

売却したら全員が幸せになる、

あるいは、

全員が不幸になる、

という単純な話ではないということです。

5.「会社を売ることは社員への裏切りなのか」と私も考えた

会社を売ろうと思った時、

私は、

「社員を裏切ることになるのではないか」

と考えました。

今まで一緒に会社を作ってきた。

自分の方針についてきてくれた。

会社が成長するまで一緒に働いてきた。

それなのに、

最後は自分が会社を売って離れる。

そう考えると、

罪悪感のようなものを持つ経営者もいると思います。

私にもありました。

でも、

考えていくうちに、一つ疑問が出てきました。

「自分が社長を続けることは、本当に社員のためなのだろうか。」

です。

自分が会社を売りたくないから残る。

自分が社長でいたいから残る。

それが社員にとって一番良いとは限りません。

もしかすると、

別の経営者の下の方が会社は成長するかもしれない。

より安定するかもしれない。

社員に新しい機会が生まれるかもしれない。

そう考えられるようになってから、

私の中で会社売却に対する見方が少し変わりました。

自分が社長を続けることと、社員が幸せになることは、必ずしも同じではない。

これは私自身、会社売却を考える中で大きかった考え方です。

6.買い手を見る時に「社員の未来」も見る

会社売却では、

どうしても価格へ目が向きます。

いくらで買ってくれるのか。

どんな条件なのか。

もちろん重要です。

でも、

売り手である経営者が考えることは、

価格だけではないと思っています。

私は、

「この会社に託した後、会社はどうなるのだろう」

ということも考えた方がいいと思います。

買い手は、

会社をどうしたいのか。

今の事業を続けたいのか。

さらに成長させたいのか。

既存事業と統合したいのか。

今いる社員をどう見ているのか。

経営者が何を重視するのか。

こうしたことです。

最終的にすべてを予測することはできません。

売却後は、

新しい経営者が会社を経営します。

売り手が永遠に口を出すこともできません。

それでも、

会社を誰に託すのかを決める段階では、

「この相手なら会社の未来を任せられるか」

を見ることはできます。

価格だけではなく、

会社の将来も含めて買い手を見る。

社員のことを考えるのであれば、

私はそこも重要だと思っています。

従業員の待遇や雇用については、思い込みで判断しない

会社売却で、

社員の雇用や待遇が具体的にどう扱われるかは、

取引の方法や契約条件などによっても変わります。

だから、

「会社を売れば必ずこうなる」

と思い込まない方がいいと思います。

会社売却を具体的に進めるのであれば、

雇用。

給与。

役職。

待遇。

就業条件。

こうした従業員に関わる部分について、

実際にどう扱われるのかを事前に確認する。

必要であれば専門家にも確認する。

経営者としては、

ここを曖昧にしないことが大切だと思います。

社員へいつ伝えるかも簡単な問題ではない

会社売却は、

検討を始めた時点で必ず成立するわけではありません。

途中で話がなくなることもあります。

条件が変わることもあります。

だから、

まだ何も決まっていない段階で社員へ伝えることが、

必ず正しいとは限りません。

一方で、

最終的には会社の大きな変化になるため、

社員へどう説明するのかは非常に重要です。

何を伝えるのか。

いつ伝えるのか。

なぜ会社を売却するのか。

会社はこれからどうなるのか。

社員にとって何が変わるのか。

私は、

会社売却ではこうした説明も、

経営者の最後の仕事の一つだと思っています。

私が最後に考えたのは「会社の未来」だった

私は最後、

こう考えました。

「もし自分が社員の立場だったら、本当に自分が社長として残ることが一番いいのだろうか。」

経営者は、

自分が作った会社に思い入れがあります。

自分がいなければダメだ、

と思ってしまうこともあります。

でも、

会社は経営者だけのものではありません。

そこで働いている人がいる。

顧客がいる。

取引先がいる。

会社そのものに未来があります。

だから私は、

自分が会社を手放したいかどうかだけではなく、

「会社にとって、この先どの道が一番いいのか」

を考えるようになりました。

その時、

会社売却に対する迷いが少しずつ整理されていきました。

会社売却で従業員について考えておきたい6つのこと

会社を売却したら、

従業員が必ず幸せになるわけでも、

必ず不幸になるわけでもありません。

私なら、少なくとも次の6つを考えます。

  • 新しい経営者になれば、評価される人材が変わる可能性がある
  • 役割や組織の中での立場が変わる可能性がある
  • 会社の安定性が高まる可能性もある
  • 新しい組織で社員の選択肢が増える場合もある
  • 自分が社長を続けることだけが社員の幸せではない
  • 買い手を見る時に、価格だけでなく会社と社員の未来も考える

そして、

雇用や待遇など具体的な条件については、

思い込みではなく、

実際の取引条件を確認する。

これも重要だと思っています。

社員のことが気になって会社売却を迷っている社長へ

もし、

「社員のことを考えると会社を売れない」

と思っているのであれば、

一度、

「自分が会社を持ち続けること」と「社員にとって良い会社であること」を分けて考えてみる

のも一つだと思います。

売却しない方がいい会社もあります。

売却した方が新しい可能性が広がる会社もあります。

答えは会社によって違います。

だから、

社員を理由に売却を止める、

あるいは社員のためだと決めつけて売却する、

そのどちらでもなく、

会社の未来まで含めて考える。

私はそれがいいと思っています。

まだ会社を売るか続けるか迷っている場合は、こちらの記事でも考え方を整理しています。

▶ 会社を売るか続けるか迷った社長へ|判断する前に考えたい6つのこと
https://shacho-baikyaku.com/sell-or-continue-business/

私自身も、

会社を売るのか。

このまま続けるのか。

社員にとって何がいいのか。

いろいろなことを考えました。

そこで実際に会社を売却した経験から、

「会社を売ろうと思った社長へ。売却前に私が知っておきたかった7つのこと」

を無料音声にまとめています。

売却を勧めるための内容ではありません。

売るのか。
続けるのか。
もう少し会社価値を高めるのか。

まだ答えを決めていない社長の方に、

一つの経験談として聞いていただければと思っています。

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