会社を売却しようと考えると、
「税金はいくらかかるのか」
「最終的に手元にはいくら残るのか」
ということが気になると思います。
私自身も会社を売却しましたが、実際に経験して分かったのは、
売却価格と、最終的に自分の手元に残る金額は別
だということです。
会社を一定の金額で売却できたとしても、そこから税金がかかることがあります。
M&A仲介会社を利用すれば手数料もあります。
場合によっては、税理士や弁護士など専門家への費用も発生します。
そのため、
「いくらで会社を売れるのか」だけではなく、「最終的にいくら残るのか」
まで見ておく必要があります。
今回は、実際に会社を売却した経験から、税金と手取りについて売却前に確認しておいた方がいいと思う5つのことを書きます。
1.会社の売却価格=手取りではない
まず、一番基本的なことです。
例えば会社に大きな売却価格が付いたとしても、
その金額がそのまま自分の銀行口座に残るわけではありません。
会社売却では、
税金。
M&A仲介会社などへの手数料。
専門家への費用。
その他、取引に伴う費用。
こうしたものが発生することがあります。
だから私なら、
売却価格を考える時には、
「売却価格はいくらか」
だけではなく、
「全部終わった後、最終的にいくら残るのか」
まで一度計算します。
売却価格だけを見ていると非常に大きな金額に見えても、実際の手取りとは差が出ることがあります。
会社売却を判断するのであれば、この違いは最初から知っておいた方がいいと思います。
2.税金は会社の売り方や状況によって変わる
会社売却の税金について検索すると、
「税率は何%」
という情報がたくさん出てきます。
もちろん、目安を知ることは悪くありません。
ただし、実際には会社や株式の状況、売却方法、取得費などによって確認すべき内容が変わります。
だから私は、
ネットで見つけた税率だけで自分の手取りを確定させない方がいい
と思っています。
売却が具体的になった段階で、
「自分の場合はどうなるのか」
を税理士などの専門家に計算してもらう。
これが一番確実です。
私自身も、売却が具体的になってから数字を確認しました。
その時に感じたのは、
税率を数字だけで見ている時と、
実際の金額に置き換えて見る時では感覚がかなり違う、
ということでした。
会社売却では動く金額自体が大きくなることがあります。
そのため、数%の違いでも実際の金額では大きくなることがあります。
税金は「率」だけではなく、実際の金額で確認する。
これはやっておいた方がいいと思います。
3.税金だけでなく、売却にかかる費用も確認する
私が会社売却を経験して感じたのは、
手取りを考えるなら、
税金だけ見ていても足りない
ということです。
代表的なのが、M&A仲介会社などへ支払う費用です。
その他にも、取引内容によっては専門家への費用などが発生することがあります。
つまり、
売却価格
↓
税金
↓
仲介などの費用
↓
専門家への費用など
↓
最終的な手取り
という考え方になります。
もちろん、実際に何の費用が発生するかは案件によって違います。
だからこそ、売却を進める前に、
「この取引が完了するまでに、最終的に何の費用が発生するのか」
を一度一覧にしてもらうと分かりやすいと思います。
特に仲介手数料については、
単に金額を見るだけではなく、
その金額で何をしてくれるのか
まで確認した方がいいと思っています。
税金は税理士へ。
契約は弁護士へ。
仲介手数料や支援内容は仲介会社へ。
分からないことを、それぞれの専門家に確認する。
会社売却では、この使い分けも重要だと思います。
4.「いくらで売るか」ではなく「いくら残れば納得できるか」も考える
会社売却を考えると、
どうしても、
「会社はいくらで売れるのか」
というところから考えがちです。
でも、売り手である経営者にとって重要なのは、
その価格で売った後、自分が納得できるのか
だと思っています。
会社を高く売りたい。
これは当然です。
私も安く売りたいとは思いませんでした。
ただ、
希望する売却価格だけを決めても、
そこから税金や費用が引かれることを考えていなければ、
「思っていたより残らなかった」
ということになる可能性があります。
だから、
希望売却価格を考える時には、
「最終的にこのくらい残るのであれば、自分は会社を手放しても納得できる」
というラインも考えておく。
私は、この考え方も必要だと思います。
会社には定価がありません。
同じ会社でも、買い手や条件によって価格は変わります。
だからこそ、
売却価格だけではなく、
自分にとって納得できる条件は何なのか
を先に整理しておくことが大切です。
5.手取りを最大化することだけが、会社売却の目的ではない
ここは、私自身が会社を売却して特に感じたことです。
もちろん、
手元に残るお金は多い方がいい。
税金や費用も、きちんと確認した方がいい。
安く会社を売る必要もありません。
ただ、
会社売却で考えることは、
「一番手取りが多くなる方法は何か」だけではない
と思っています。
誰に会社を託すのか。
会社はその後どうなるのか。
一緒に働いてきた人たちはどうなるのか。
取引先との関係はどうなるのか。
自分自身が、その売却条件に納得できるのか。
こうしたこともあります。
仮に最も高い価格を提示した相手がいたとしても、
必ずしもその相手が自分にとって一番良い買い手とは限りません。
私は、
「いくらで売るか」と同じくらい、「誰に売るか」も大切
だと思っていました。
会社売却で最後に残るものは、
銀行口座の数字だけではありません。
どんな会社を作り、どんな条件で、最後に誰へ託したのか。
それも経営者としての一つの結果だと思っています。
私自身、売却前は税金ばかり考えていたわけではなかった
私の場合、会社売却を進めていた時、
税金のことばかりを考えていたわけではありませんでした。
むしろ気になっていたのは、
「本当に最後まで売却が成立するのか」
ということでした。
買い手候補が現れる。
条件を話す。
調査が行われる。
契約を進める。
そして最後に取引が完了する。
会社売却は、
話が始まったから終わるわけではありません。
最後まで何が起こるか分からない。
だから私は、実際に完了するまでは、
「本当に終わるのだろうか」
という感覚を持っていました。
そして取引が現実的になってから、
税金や最終的な手取りについて具体的な数字を確認しました。
今振り返ると、
売却を検討する早い段階で概算を知り、具体化した段階でもう一度正確に確認する
くらいがいいと思っています。
売却後に感じたのは「お金が増えた」ということだけではなかった
会社売却というと、
どうしても売却代金に目が向きます。
でも、実際に会社を手放した時に感じることは、お金だけではありませんでした。
長く経営してきた会社を誰かに託す。
会社に対する責任から離れる。
それまで自分が背負ってきたものが変わる。
私の場合、会社売却は単なる金銭取引という感覚ではありませんでした。
会社そのものに価値が付き、
それを第三者が評価してくれた。
そこに意味を感じました。
実際に売却が完了した時のことは、NOTEの連載でも詳しく書いています。
▶ 第46話「イグジット完了。私の中で大きな章が終わった日」
https://note.com/shira_biji/n/n484825684389
会社売却の税金と手取りで、売却前に確認したいこと
会社売却を具体的に考えるのであれば、
私は少なくとも次の5つを確認します。
- 売却価格と最終的な手取りは分けて考える
- 自分の場合の税金を専門家に確認する
- 仲介手数料など、税金以外の費用も確認する
- 最終的にいくら残れば納得できるのか考える
- 手取りだけでなく、売却条件全体を見る
特に大切なのは、
「売却価格が高い=自分にとって一番良い会社売却」ではない
ということです。
税金。
手取り。
買い手。
社員。
会社の将来。
自分自身の納得。
全部を含めて考える。
会社売却は、それくらい大きな判断だと思っています。
なお、税金については売却方法や個々の状況によって扱いが変わります。
この記事は私自身の会社売却経験をもとにした考え方であり、個別の税務判断をするものではありません。
具体的な税額や申告については、売却前に税理士などの専門家へ確認してください。
まだ会社を売るか迷っているのであれば
税金や手取りを調べ始めたからといって、
必ず会社を売らなければならないわけではありません。
まだ、
売るのか。
続けるのか。
迷っている段階であれば、先にこちらの記事も参考になると思います。
▶ 会社を売るか続けるか迷った社長へ|判断する前に考えたい6つのこと
https://shacho-baikyaku.com/sell-or-continue-business/
私自身も、会社を売ると決めるまでかなり迷いました。
その経験から、
「会社を売ろうと思った社長へ。売却前に私が知っておきたかった7つのこと」
を無料音声にまとめています。
売却を勧めるための内容ではありません。
売るのか。
続けるのか。
もう少し会社価値を高めるのか。
まだ答えを決めていない社長の方に、一つの経験談として聞いていただければと思っています。
▼無料音声を受け取る
https://lin.ee/tm25Z55

